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資料番号001
表題乙種移動無線電信機
補記
掲示は乙種移動無線電信機の演習風景及び回路図である。本機は明治44年(1911年)にドイツのテレフンケン社から購入した繋馬車載式の移動式無線機(火花式)を基に開発され、大正2年(1913年)に「乙種移動無線電信機」として制式制定(第一次制定)された。

写真中央、空中線マスト左の車が送受信機を装置した無線車と推測される。本機の空中線装置は複雑で、設置・撤収には非常に時間がかかった。このため、空中線専属担務要員として「建築兵」と云う特業が設けられたとの記録がある。

乙種移動無線電信機諸元
用途: 軍通信隊
通信距離:100Km
波長: 不明
送信機: B電波(瞬滅火花式)発振
送信入力:不明、放電々圧5,000V
受信機: 鉱石検波式
送信電源: 水冷4馬力発動発電機、出力交流500Hz、85V、2,000VA
高圧発生変圧器: 入力85V、出力5,000V
空中線: 傘型、空中線条35m、12条
柱高:35m繰出式鋼製電柱
対地線: 90m、12条
運搬: 繋馬車3車輌
生産数: 不明

回路図出典: 日本無線史第9巻・第3章「無線兵器の変遷」

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資料番号002
表題94式対空1号無線機
補記
94式対空1号無線機は航空部隊用の遠距離(1,000Km)通信機材として開発された。本機は装置が鈍重、複雑で、取扱いも煩雑であったため、航空部隊用としては3台のみで不整備となった。しかし、満州事変に対応するため、軍通信隊の固定通信隊用としては引き続き整備が行われ、相当数が配備された。
写真右より、発振部、電力増幅部、制御部。

94式対空1号無線機諸元
用途: 対空用
通信距離: 1,000km
周波数: 送信1,200-13,350KHz、受信140-15,000KHz
送信機: 出力(A1)1,000-1,500w、水晶又は主発振UX-47A、第1段増幅UX-860、周波数逓倍UX-860、第2段増幅UV-812、電力増幅UV-815 x2並列使用
受信機:27号型
送信電源: 発動発電機及び電動発電機
受信電源: 乾電池
送信空中線: 逆L型、柱高12m、水平長35m以下、地線: 35m裸線8条
受信空中線: 逆L型、柱高10m、水平長20m以下、地線: 20m裸線4条
運搬: 自動貨車3輌
開設撤収: 兵25名で1時間

写真出典: 「無線と実験」(昭和17年5月号)

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資料番号003
表題94式飛2号無線機
補記
94式飛2号無線機は遠距離用機材として計画された飛1号無線機(14号無線電信機)が不採用となったため、第3次制式制定に於ける唯一の中・長距離用通信機材として、単座戦闘機を除く全ての航空機に装備された。

94式飛2号無線機諸元
用途: 中・大型航空機用
通信距離: (A1)600km
周波数: 送信1,500-7,500KHz、受信1,500-7,500KHz
送信機: 出力(A1)20w、(A3)10w、水晶又は主発振UX-865、電力増幅UX-865 x2並列使用
変調機: 音声増幅UZ-89、変調UZ-79(三極部P.P.)
受信機: スーパーヘテロダイン方式、高周波増幅1段、中間周波1段、再生検波、低周波増幅1段(UZ-77、Ut-6A7、Uz-78、UY-37、UZ-41)
送信電源: 入力24V直流変圧器
受信電源: 送受兼用
空中線: 固定逆L型、又は40m垂下式、地線: 機体

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資料番号004
表題94式対空2号無線機・送信機
補記
掲示は対空2号無線機の送信機、概略図、回路構成図である。写真は1945年9月、Momi, Dutch New Guineaに於いて、オーストラリア軍による陸軍航空部隊の査察に際し撮影された。

写真出典: Australian War Memorial
概略図出典: 航空通信学校假教程(昭和13年印刷)
回路図作成: 山本健殿

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資料番号005
表題94式対空2号無線機・変調機
補記
掲示は当館が所蔵する対空2号無線機2型の変調機である。装置左の扉内部が変調管UV-849、右側の扉内部下部がバイアス電圧発生用の回転式直流発電機、上部がボーダース回路制御用の継電器。左側の欠落しているメーターは変調管陽極電流計、不良となり取り外されたのか、内部の結線は短絡してある。

概略図出典: 航空通信学校假教程(昭和13年印刷)
回路図作成: 山本健殿

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資料番号006
表題対空2号無線機送信部主要構成真空管
補記
掲示は94式対空2号無線機の送信機及び変調機を構成する主要真空管で、左が緩衝・電力増幅管UX-860、中央が発振管UF-210B、右が変調管UV-849。下部に置いた小型管はサイズ比較用のソラ。

UF-210B規格
種目: 空冷3極管
線條電圧:6V
線條電流: 0.5A
最大陽極電圧: 1,000V
最大陽極損失: 25w
相互伝導率: 1.2mho
増幅率: 11μ

UX-860規格
種目: 空冷4極管
線條電圧:10V
線條電流: 3.25A
最大陽極電圧: 2,200V
最大陽極損失: 100w
相互伝導率: 1.35mho
第二格子増幅率: 8μ
最大周波数: 18MHz

UV-849規格
種目: 空冷3極管
線條電圧:11V
線條電流: 5A
最大陽極電圧: 2,000V
最大陽極損失: 400w
相互伝導率: 6.3mho
増幅率: 22μ
最大周波数: 1MHz

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資料番号007
表題94式対空2号無線機・送信機電源
補記
掲示は日野自動車の企業博物館「日野オートプラザ」が所蔵展示する94式対空2号無線機の送信機用発電機で、製造はタカタモーター製作所(昭和13年2月製)。発動機は単気筒5馬力の2サイクルガソリン機関で回転数は2,000/rpm、直流発電機は回転数2,600/rpmで、出力は高圧2,200V、低圧12Vである。

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資料番号008
表題27号型受信機原型
補記
掲示上段は陸軍「航空通信学校假教程(昭和13年印刷)」(一般生徒及び学生用)の付図抜粋である。
下段は27号型受信機の原型である27号A型受信機。外観は異なるが、回路構成は27号D型と大きな相違は無い。

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資料番号009
表題27号D型受信機
補記
掲示上段が27号D型受信機。装置上部が受信機本体、下部が木製の電池箱。受信機前面左より電源閉開器、受話器端子(上下2個)、心線抵抗器、ヘテロダイン調整器(オートダイン第二検波)、同調補正用蓄電器(高周波増幅段、第一検波段、二重ツマミ構造)、主同調器、音量調整器、右下が空中線、地線端子。同調器上部がプラグイン式受信コイル。

掲示中段が27号D型受信機の回路構成図である。A型と異なり、空中線入力回路に「空中線減衰器」が、同調回路に手動補正用蓄電器が付加されている。中間周波トランスの切替回路はA型と同一であるが、切替は自動選択方式である。

掲示下段が27号型受信機後期普及型。回路構成、構造は27号D型と相似するも、受信周波数帯が1,050-15,000kHz(4バンド)に変更され、このため、IFTトランスは400KHzに固定化された。また、受信機の構造が簡略化された。

27号D型受信機概要
27号型受信機の普及機材であるD型受信機は高周波増幅1段・中間周波増幅1段・再生式検波・低周波増幅2段構成のスーパーヘテロダイン方式で、構成真空管は線條電圧1.1Vの電池管である。運用周波数は140-15,000KHzで、これを7本のプラグイン式線輪で受信する。中間周波数は140-1,050KHzの長波帯が100KHz、1,050-15,000KHzの中・短波帯が400KHzである。主同調器は180度展開の100度目盛方式で、操作部は円盤摩擦式(フリクション式)のダイアル機構であり、減速比は大凡1:5である。目盛は付属の副尺と併せ読取り、添付の目盛・周波数表により該当周波数に置換する。

回路構成
本受信機のフロントエンドは5極管UF-134による高周波増幅部、7極管UZ-135による周波数変換部で構成されている。高周波増幅、周波数変換、局部発振各部の同調回路を構成する可変蓄電器は連動式で、高周波増幅段・周波数変換段の入力側にはトラッキング補正用の小容量可変蓄電器が付加されている。空中線入力回路には入力信号調整用の可変抵抗器が装置され、本器は中間周波増幅管の第2格子電圧可変抵抗器と連動している。周波数変換回路はUZ-135による5格子7極管方式で、局部発振回路はハートレー発振方式である。
中間周波増幅回路はUF-134で構成され、空中線入力回路の可変抵抗器に連動する第2格子電圧可変抵抗器により利得(音量)調整を行う。中間周波数は長波帯が100KHz、中・短波帯が400KHzで、受信コイルを挿入すると、該当中間周波数に自動切替する構造である。
検波は4極管UF-111Aで構成された再生検波方式で、再生調整は第2格子電圧を可変し最良状態を得る。本式は再生効果により高検波出力、高選択度を得るもので、併せ、A1受信機に必要なビート発振管の省略及び電源乾電池の節約を兼ねており、陸軍野戦用機材の多くに使用されている。
低周波増幅部は3極管UF-109A及び5極管UY-133Aによる2段増幅で、格段及び出力回路は低周波変圧器結合方式で高利得を得ている。
なお、本機は検波回路が再生式であり、また、主使用目的が電信運用のため、AGC機能は備えていない。
本機の電源は乾電池方式で、高圧はB4号型4個直列使用(135V・67.5V)、低圧(線條)は平角3号2個並列使用(1.5V)、バイアスはC4号乾電池1個(-3V・-4.5V)である。なお、構成真空管の定格線條電圧は1.1Vのため、線條電圧可変抵抗器で該当電圧に調整する。

写真資料出典: TM E11-227A Japanese Radio Communication Equipment U.S. War Department Dec/1944
回路図作成: 山本健殿

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資料番号010
表題対空2号二型受信機
補記
掲示写真上段が対空2号二型受信機の前面。受信機上部左よりBFO音色調整器、同調蓄電器、空中線端子。中央部、左より受話器端子、電信・電話切替器、音量調整器、検波補正蓄電器、高周波補正蓄電器、空中線減衰器。下部左より電源スイッチ(芯線)、陽極電圧投入スイッチ、同調目盛・周波数置換表、受信線輪、地線端子。

写真下段が受信機背後。上部中央左が同調用蓄電器、右端に装置されているのがIFT。下部右側が回転式直流変圧器。

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資料番号011
表題地2号無線機2型・送信機
補記
写真補足。送信機上段、左より電源開閉器、空中線電流計、増幅管陽極電流計、増幅管格子電流計、電圧計、電圧計切替器。中段左より線條電圧調整器、空中線同調器、増幅段同調表示ネオン管、増幅段同調器、発振同調表示ネオン管、発振同調器、水晶片収容器、上が音量(変調度)調整器。下段左より遠隔操作切替器、その下が波形切替器(A1・A2・A3)、空中線延長線輪切替器、差替式コイルユニット。銘板の下が電鍵端子、右が送話器端子、原型送信機ではこの右に電信符号モニター用の「高声器」端子が装置されている。 なお、掲示回路図は地2号無線機・送信機原型である。

回路図作成: 山本健殿

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資料番号012
表題地2号受信機
補記
掲示上段が地2号受信機原型、中段が地2号受信機回路図、下段が地2号二型受信機である。 上段、地2号受信機原型補足。写真左端が地1号受信機、右が地2号受信機。地2号受信機の右側に設置されているのが遠隔操作機を構成する操縦器である。

下段、地2号受信機2型補足。受信機前面、上段左よりBFO音色調整器、同調蓄電器、空中線端子、下が共通空中線端子。中段、左より受話器端子、電信・電話切替器、音量調整器、検波補正蓄電器、高周波補正蓄電器、空中線減衰器。下段左より電源スイッチ(芯線)、陽極電圧投入スイッチ、同調目盛・周波数置換表、受信線輪、右が「遠操器」(遠操同時送受信用)端子、隣が「送信機」(局操同時送受信用)端子、下か地線端子。
なお、本受信機は対空2号二型受信機用の受信線輪を装備している。

写真提供(地2号二型受信機): 牧田良秋殿
回路図作成: 山本健殿

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資料番号013
表題受信線輪
補記
写真上段が受信線輪の外観で、左側が対空2号二型受信機前期型受信線輪、中央が対空2号二型受信機後期型、右がム-62二型受信機用である。対空2号二型受信機用線輪は、前期型、後期型で取手の構造が異なる。又、対空2号二型受信機後期型の取手構造は地2号受信機用と同一である。両機の受信線輪は同一構造のため互換性はあるが、中間周波数が異なるため適正な使用は叶わない。
両線輪の識別であるが、ツメが装置されたベークライトの接触面に、各段の仕切り金物が装置されている受信線輪が対空2号二型受信機用で、ツメだけで構成された線輪が地2号受信機用である。

写真下段が受信線輪内部で、左が対空2号二型受信機用、右が地2号二型受信機用。対空2号二型受信機用コイルは造りが凝っており、高周波ニスの様な物が塗布されているが、両コイルの基本構造に違いは無い。

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資料番号014
表題回転式直流発電機(ダイナモ)
補記
掲示は対空2号二型受信機用のダイナモ電源である。対空2号二型受信機及び地2号受信機用ダイナモ電源は、回路構成、入出力電圧共に同一であるが、両器は電源出力と受信機を接続するコネクターの形状が異なり、互換性はない。

本ダイナモ電源の出力端子は凸型であるが、地2号受信機用は凹型である。

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